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タイトル3軸織物複合材料の力学的特性に関する研究
その他のタイトル博士論文
Study on the dynamic characteristics of triaxial weaves
Ph.D. Thesis
著者(日)吉田 啓史郎
著者(英)Yoshida, Keishiro
著者所属(日)東京大学 大学院工学系研究科
著者所属(英)University of Tokyo School of Engineering
発行日2007-04-19
刊行年月日2007-04-19
言語jpn
抄録本研究では3軸織物複合材料を宇宙用展開構造に適用することを想定し、当材料の基本的な力学的特性を明らかにすることを目的とする。この目的のため本論文は以下の構成でまとめられている。第2章では、対象とする織物複合材料をこれと等価な均質体と見なした場合の力学的特性の解析法を示す。その際、構造材料として最優先に要求される面内特性のみならず、展開構造物に適用する際に要求される収納性の評価などに用いるべく、面外の特性も解析可能な手法を示す。解析に際し、対象とする材料が不均質ではあるがその面内に周期的な構造を有することを利用して均質化法を適用し、単位周期領域のみを解析対象として、これに周期境界条件を考慮して当材料と等価な力学的特性を解析する手法を示す。またこの章では上記の単位周期領域を数値的に解析する方法として有限要素法を用いその定式化を示す。さらにこの定式化に基づき、単位周期領域において幾何学的非線形性を考慮した解析を実施する方法を示す。また、当材料のような不均質な材料をこれと等価な均質体とした場合の剛性を評価する簡易な手法として用いられている剛性平均法と比較し、剛性平均法による剛性評価の問題点を明らかにする。第3章では、当材料の力学的特性を評価するための簡易な解析モデルとして、当材料を構成する繊維束を梁(beam)でモデル化し繊維束の交点部においてこれを連結した解析モデルを提案する。この解析モデルを本研究では梁連結モデルと呼ぶ。この解析モデルに第2章で示す均質化法を適用する方法を示し、その定式化を示す。また梁連結モデルについて幾何学的非線形性を考慮した解析に適用する方法を示す。第4章では、第2章、第3章に示した解析方法を、3軸織物複合材料に適用して解析した結果を示す。その際解析モデルを作成する詳細な方法についても述べ、3次元有限要素解析モデルとの整合性の観点から第3章に示した梁連結モデルを改良する方法についても述べる。解析結果として、まずは当材料と等価な平板の剛性を算出した結果を示す。またこの剛性を複合材料積層板の剛性と比較することにより、当材料の特徴的な性質を明らかにする。次に、当材料の力学的特性を実験的に評価する場合を想定して、当材料から有限な寸法を有するサンプル取り出しこれに1軸の引張および曲げを負荷した場合の解析を実施し、サンプルの寸法あるいは自由端が存在する場合の影響について評価する。次に、当材料を構成する繊維束単体の引張挙動に関し幾何学的非線形性を考慮した解析を実施し、特に負荷に伴う繊維束の面外方向うねり形状の変化が引張挙動に及ぼす影響を明らかにする。次に、当材料を構成する繊維束の面外方向うねり形状の変化が当材料の引張挙動に及ぼす影響を評価するため、幾何学的非線形を考慮した織物複合材料の引張挙動の解析を実施する。その際負荷方法により引張挙動に変化が生ずることを示し、織物複合材料を構成する繊維束の面外方向うねり形状の変化がその挙動に及ぼす影響について検討する。なお、上記の解析において3次元有限要素解析モデルと梁連結モデルおよびこれを改良した改良梁連結モデルによる解析結果を比較し、簡易な解析モデルである梁連結モデルおよび改良梁連結モデルの有用性と適用限界についても検討する。第5章では、第4章で解析的に予測される当材料の力学的特性を実験的に評価する。まずは当材料の引張剛性を評価するためさらには引張負荷下での変形挙動を把握するため、1軸引張試験を実施した。また当材料の曲げ剛性を評価するため3点曲げ試験および純曲げ試験を実施する。また曲げ破断が生ずる際の最大曲率を評価する試験も実施する。なお、上記評価試験においては力学的挙動の負荷方向依存性を評価するため、負荷方向を変化させて試験を実施する。また1軸引張試験では、試験片の自由端の影響を評価するため試験片の幅方向寸法を変化させた試験も実施する。上記の評価試験結果と第4章で得られた解析結果を比較し、有限な寸法を有する試験片を用いた剛性評価試験の問題点を明らかにし、また非線形の引張挙動が発現するメカニズムについて考察する。また曲げ破断曲率評価試験の結果より、本材料が曲げ破断にいたるまでの変形能を評価する。第6章に、3軸織物複合材料の基本的な力学的特性についての結論を示しまとめとする。
キーワード3軸織物; 炭素繊維強化樹脂; 複合材料; 宇宙機構造材料; 宇宙機設計; 経費削減; 動特性; 展開構造; 有限要素法; 3次元モデル; 引張り試験; 熱膨張; triaxial weave; carbon fiber reinforced plastic; composite material; spacecraft construction material; spacecraft design; cost reduction; dynamic characteristic; deployable structure; finite element method; three dimensional model; tensile test; thermal expansion
資料種別Thesis or Dissertation
SHI-NOAA0063523000
URIhttps://repository.exst.jaxa.jp/dspace/handle/a-is/34381


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