温室効果ガス観測技術衛星2号(GOSAT-2)のミッション機器

Abstract

温室効果ガス観測技術衛星2号（Greenhouse gases Observing SATellite-2 : GOSAT-2）は，日本が欧米に先駆けて2009年1月に打ち上げた世界初の温室効果ガス観測専用衛星“いぶき（GOSAT）の後継衛星として開発が進められている。GOSAT-2は，ミッション機器として温室効果ガス観測センサ2型（Thermal And Near infrared Sensor for carbon Observation/Fourier Transform Spectrometer 2 : TANSO-FTS-2）と雲・エアロゾルセンサ2型（Thermal And Near infrared Sensor for carbon Observation/Cloud and Aerosol Imager 2 : TANSO-CAI-2）の2種類のセンサが搭載される。TANSO-FTS-2センサは，二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスをフーリエ分光法で観測する。TANSOFTS-2では，前号機に対して1. センサ開口の拡大による観測データの品質向上，2. 観測波長領域の拡張による一酸化炭素の観測データ追加，3. 雲領域の回避観測による有効観測データ数の増加の性能向上を行う。TANSO-CAI-2は，TANSO-FTS-2で二酸化炭素を測定する際に誤差要因となる雲の有無の判定やエアロゾル（大気粒子状物質）の測定に用いる画像センサである。TANSO-CAI-2は，前号機に対して1. 直下視観測から前方／後方視観測への観測方向の変更及び増加，2. 観測波長領域追加によるブラックカーボンやPM2.5等の微小粒子状物質の観測，3. 短波長赤外領域バンドの観測幅の拡大の性能向上を行う。