内容記述 | 新型転換炉「ふげん」発電所において,平成4年10月18日,タービン建屋1階高圧タービン前部軸受台付近からの蒸気微小漏洩が発見された。この原因は,比較的湿り度の高い蒸気流の一部がgammaプラグ部に流入する環境下において,gammaプラグ材料が適切でなかったために生じたエロージョンによるものであると結論づけられた。本報では,汎用多次元コードAQUAを用いた多次元流動解析により,当該部位での流動状況を解析的に検討すると共に,改良型gammaプラグ(形状および材質)が設置された条件での解析により,エロージョン発生防止に関する効果を明らかにした。得られた結果は,次の通りである。(1)既設gammaプラグ条件において,高圧タービン出口配管内蒸気平均流速を41.3m/s(100%)から31.3m/s(75.8%)に低下させた場合には,gammaプラグ内流速成分最大値の低下は約84%となる。(2)改良型gammaプラグ条件におけるgammaプラグ内流速成分最大値は,既設gammaプラグ条件での値の約0.44%となり,エロージョン発生を効果的に防止できると考えられる。本作業は,本社動力炉開発推進本部ふげん計画管理課からの依頼に基づいて行ったものである。 著者所属: 日本原子力研究開発機構(JAEA) |